2007-07-27
ヤサコとイサコの年齢について
|このアニメの設定について考えるとき、すぐに気付くのがヤサコとイサコの年齢の矛盾だ。
本名、小此木優子(オコノギユウコ)。2015年10月12日生まれ*1。てんびん座。11歳。
*1:2026年が舞台なので、これだと10歳となり矛盾が生じるがそれもご愛嬌。
ヤサコ - ハテナ電脳コイル
本名、天沢勇子(アマサワユウコ)。2015年4月4日生まれ*1。おひつじ座。12歳。
*1:2026年が舞台なので、これだと11歳となり矛盾が生じるがそれもご愛嬌。
イサコ - ハテナ電脳コイル
2026年時点で小学6年生であることを考えると、ヤサコ=11歳、イサコ=12歳、というのが妥当だ。
ところが生年月日から計算した年齢はそれらよりも1歳低くなるのだ。
単なるミスとも考えられるが、実はアニメの中で生年月日が明確に示されているのはこの2人だけなのだ。
なぜ、この2人にだけ生年月日の設定があるのだろうか?
そしてわざわざ作った生年月日のこの程度のミスに本当に誰も気付かなかったのだろうか?
多少話が飛ぶが、大抵のアニメの画面に出てくる書き文字で特に物語に関係しないものは、撮影段階で適当に貼り付けられることが多い。このアニメでも「アニメ作画入門」「オレンジ色のコーヒー」なんかはおそらくその類だろう。
ところが、物語の中で意味があると思われるものについては、このアニメでは非常に巧妙に意図的に画面の中に情報を配置していることが分かる。
例えば劇中で至る所に出てくる「大黒市史跡めぐり」の看板は、さりげなく(ときには地デジのHD映像でしか確認できないぐらい分かりにくく)、しかし詳しく調べると確実に何らかの情報が読み取れるように画面に描かれている。またオジジの蔵書であるとか、大黒市電脳怪奇倶楽部の文章であるとかも、明らかに意図的に配置されているもので、それらの文字情報が全く意味の無いものであるとは考えにくい。
このアニメの画面中に出てくる日付もまた同様で、学校の黒板や書類にさりげなく、しかし確かに読み取れるように書かれていて、それらの日付はかなりの整合性を持っている(詳しくは「202X年 - ハテナ電脳コイル」を参照)。
そうであるならば、生年月日の日付もまたそれほど適当に付けられたものでもなく、年齢の矛盾にも全く気付かなかったとは考えにくいのではないだろうか。
そこには設定上の意味か、何らかの意図があるのではないだろうか。
1. 年齢の矛盾に設定上の意味がある場合
例えば、「あっち」側に行っている間は時間の流れが「こっち」側とは違う、といった可能性はいかにもありそうだ(ただし「ウラシマ効果」のように、大抵の物語だと河岸の時間の流れの方が遅く、周囲の年齢>本人の年齢、となることが多い。ヤサコ・イサコの場合と逆)。
あるいは学校制度が現行のものとは違っていたり、飛び級が認められていたりということも考えられる。もしかしたらそれが原因の一つとなっていじめられていたりもしたかもしれない。何であれこの場合、今後物語が進展するに従ってその意味が明らかになってくることだろう。
2. 年齢の矛盾に設定上の意味が無い場合
年齢の矛盾に気付かなかったわけでもなく、また物語の上で何の意味も持たない場合、これは一体何を表しているのだろうか?
もしかするとこれは、磯監督の意思の表れなのかもしれない。
磯 あんまり細かいところはそれほどまじめに作っていないので、整合性や緻密な設定を一番の楽しみにしておられるお客さんには、あまりご期待に添えないかもしれません。そういう意味ではこの作品は純粋なSFではないのでしょう。私自身設定を考えるのは好きなので、ついつい増やしてしまうのですが、矛盾をあまり気にせずあれこれ妄想できる程度の作品になれば幸いです。面白おかしく気軽に、なんとなくだらけながら見てくれると一番うれしいです。
Amazon CAPTCHA
同様のことを御本人のWebサイトにも書いている。
ようするに年齢の矛盾も(元はおそらくは企画が進行していく間に自然とできたものだが)、「わざわざ直す必要は無い」と判断したのではないだろうか。そしてそれによって「このぐらいの矛盾は気にしないこと」を暗に伝えているのではないだろうか。
実際、この年齢の矛盾があることによって、「西暦20xx年」というような絶対的な時間と「何年前」といった相対的な時間にどこかで不整合が出来て、個々の出来事の起きた年を特定することが難しくなり、細かい考察を難しくする一つの要因となっている。
この場合、ここまで長々と書いてきたこと自体の意義が問われるが、しかし最もありそうな話のようにも思う。
転入届に関して思うことがありましたので書かせてください。
この演出は、生年月日や年齢を提示したかったというよりは、
「イサコの家族は母親だけである」という設定を予め見せておきたかっただけの演出のような気がします。
もちろん生年月日も物語上大切(?)なのかもしれませんが、
10話で、あのイサコが叔父さんに対して積極的な笑顔を見せていることを考えると、
イサコの生まれ育った環境を視聴者側に暗示させる(興味持たせる)ことが必要だったのではないかと思いました。
つまり二人はワルだったんだよ!